「ぉおぉおおおおぉおおおお!!!」

 雄たけびと共に降ってきた巨漢が、手にした獲物を振り下ろした。長い柄のついた斧が、今まさにジェレミアに止めの一撃を繰り出そうとしていた魔物の旋尾を、その根元から切り落とす。

 腕力や斧の威力だけでなく、高所から下降したその勢いを利用しての一撃は、ジェレミアたちの武器を幾度も跳ね返した魔物の表皮すらも容易く切り裂いた。決して浅からぬ衝撃と痛みに、魔物は狂ったような咆哮を上げてのた打ち回る。

「何、が………一体、」

 痛みと失血でちかちかと霞む視界と意識、その片隅でジェレミアは呆然と呟いた。教団に嵌められ、残してきた半数の部下たちの無事も怪しいという現状―――地元の人間でもろくに立ち入らないこんな場所で、まさか助けの手が現れるとは思ってもいなかった。だから現状を把握しかねて、困惑の声を上げる他ない。

 けれどジェレミアやその部下たちが放心する間に、唸るような駆動音と共に不可思議な物体がいくつも降ってきた。それがバギーと名付けられたシェリダン製の砂漠・荒地用の装甲車であることを彼らは知らなかったが、譜業製の乗り物だということはわかったのだろう。警戒するように武器を構えなおす彼らの前で、バギーから幾人もの人影が降りてくる。

「ジェレミア!」

 ―――名を、呼ばれた。

 ただそれだけなのに、全身に震えが走る。

 ジェレミアは霞む片目を必死に見開き、声の主を求め―――自分に向かって駆けてくる、黒衣の人影を見た。

(     様―――)

 咽喉元まで出掛かった名前が出てこない。どうしようもなくもどかしい思いで、けれどそれを凌駕するほどの歓喜を覚えてもいて。

「ジェレミア、しっかりしろ!」

 駆け寄ってきた人物が、緊迫した声音で名を呼び、手を伸ばした。その指先に暖かな光が宿り、ジェレミアの身体に染み渡っていく。肉まで抉った傷を癒しきるには到底足りず、けれど確かに痛みを癒す光。じくじくと神経を抉るような痛みが和らぎ―――緊張が緩んだためだろうか、ジェレミアの意識がふっと遠くなった。

 その薄れていく意識の端に、かの人が纏う黒衣が目に入る。

(―――ああ、やはりよくお似合いになる………)

 最後(・・)に見たのは、白い衣を纏った姿だった。それが死に装束に等しいものだということを、『彼』は知っていた。

 白を纏った姿ももちろん凛々しく麗しかったけれど、『彼』が主に膝を折った時、主は黒衣を纏う『魔神』だった。憎悪と義憤を糧に世界を相手取った、希代の反逆者。

 清冽なだけではない、罪も澱みも飲み込んで、なおも気高くあり続ける人。

「――ーシュ、様………」

 夢と現の境に墜ちた意識が、無意識にその名を口にする。

 『彼』が忠誠を捧げた主、唯一無二と定めた主君。

 血の気の引いた真っ青な顔で、けれど満ち足りた顔をして、ジェレミアの意識はゆっくりと沈んでいった。

 

 

 

 

「ジェレミア!? ………気絶したか」

 ぐったりと意識をなくしたかつての臣下―――その今生での姿を見下ろして、ルルーシュは呟いた。ざっと見ただけでも、かなり傷が深いことがわかる。左目は完全に抉り取られており、また左手も二の腕の辺りの肉を深く抉られている。おそらく神経をごっそりやられているだろう。

 先ほどから会話もそこそこにファーストエイドを掛け続けたルルーシュだが、幾度目かの術を施そうと手を翳して、忌々しげに舌打ちをした。第七音素が集まってくる、術の発動時に特有の感覚がない。

「………打ち止めか」

 譜術士として非常に高い能力を持つルルーシュだが、唯一第七譜術に関してだけは、非常に低い適性しか持たなかった。辛うじて初歩の初歩であるファーストエイドを習得し、彼自身の術士としての力量ゆえに下級譜術以上の威力を示すとはいえ、所詮は下級譜術である。今のジェレミアほどに深い傷を前にしては、応急処置程度の役にしか立たなかった。

 それでもやらないよりはマシと重ねがけを続けてきたのだが、第七音素に対する適性―――第七音素を感知するアンテナ、そして術を編み上げる回路の性能が低いため、ルルーシュが放つ第七譜術は消費する音素量に比して効率が悪い。そして音素を消費して周辺から第七音素が減少していくと、第七音素を感知することが難しくなる。今の状況はまさしくそれだった。

(血は………止まったか)

 改めてジェレミアの傷口を見やったルルーシュは、失われた血肉を再生するには至らずとも、止血だけはできたことを確認する。

(さっさとアレを片付けて、治療できる場所に行くしかないな)

 バダックとスザクが魔物の相手をし、運転士である3人はバギーを離れた所で停止させたあとは、非常用のグミ類で他の騎士団員たちの介抱を始めている。まさかこんな事態になっているとは思ってもみなかったから、ここまできたのはバギー3台とそれを動かせるだけの人員、そしてバダックとスザク、ルルーシュだけだった。第七譜術を使える人間に至ってはルルーシュだけという有様である。

そしてグミで回復した騎士団員たちが第七譜術で他の怪我人の怪我を治療しようとしない以上、この場に第七譜術士はいないと考えるべきだろう。そうである以上、可及的速やかに治療を受けられる場所に移動せねばならない。

 そう判断したルルーシュは、ジェレミアの身体を横たえ立ち上がった。ルルーシュが術を唱える横でジェレミアを支えていた騎士団員が、どうして治療をやめてしまうのかと言いたげな視線を向ける。

「これ以上は俺では無理だ。あいにく第七譜術はほとんど使えなくてな」

 腰に吊ったグミ入りの道具袋を外して手渡しながら、ルルーシュは騎士団員にそう告げた。決してジェレミアを見捨てるわけではないのだと、そう言い聞かせるように。

「俺はアレを片付けてくる。―――スザク!」

「何? ルルーシュ」

 バダックと共に魔物と交戦していたスザクに声を掛ければ、彼は動きを止めることなく応えを返した。

「あとは俺が引き継ぐ。お前はジェレミアを連れて先に戻ってくれ」

 バダックとスザク、二人の攻撃で魔物は大分弱っていた。おそらく上級譜術の一、二発もあれば止めをさせるだろう。詠唱までの足止めはバダックに任せればいい。

 そうした意図を読み取ったスザクは頷いて、バダックと視線を交わした後に大きく跳び退った。その間にも、ルルーシュは動ける騎士団員―――事態を把握しきれず困惑している―――に指図して、ジェレミアを最寄りのバギーに運び込ませている。どうやら治療を受けさせてもらえると理解した団員の一人が、物陰に寝かされていた年若い青年も連れてきた。それを断る道理はなかったから、その青年も同様にバギーの中に横たえる。

 運びこまれる怪我人をよそに、駆け寄ってきたスザクがバギーの運転席に座っていくつかの操作をし始める。

基本的に走行にはタイヤを用いるバギーだが、悪路を走行することを想定し、音素を射出して地面から浮き上り、後部のエンジンから音素を噴射して走行できるようになっている。崖の上から降下した際には、この機能を大いに利用して衝撃を殺していた。ここから崖の上に戻る際にも、それを利用するつもりである。

 しかし通常の走行だけならともかく、この状態(射出モードと呼んでいる)ではバギーは暴れ馬のような状態であり、乗りこなすにはそれなりのコツがいる。意識のある人間を乗せているならしがみついて踏みとどまるだろうが、ジェレミアたちのように意識のない人間を乗せて崖上まで飛び上がるとなると、よほどの腕前でなければ振り落としかねないだろう。ルルーシュがわざわざ戦闘中のスザクを外してまで指名したのはそれが理由だった。

「ルルーシュ。準備できたよ」

 運転席から振り返ったスザクがそう言った。ルルーシュはそれに頷き返す。

「急いでくれ。応急処置はしたが、それだけだ」

「うん、わかった。………行き先はシェリダン?」

 距離を考えれば、ここからシェリダンに行くのも隠れ家に行くのも大差はない。いや、シェリダンの方が近いには近いのだが、医者―――というか治療のできる術士の下に行くまでに、入り組んで人通りの多い街中を移動しなければならない分、シェリダンの方が時間が掛かるかもしれない。

 それでもスザクがシェリダンに行くべきかと問うたのは、彼らの隠れ家が文字通り秘された場所だからだ。ジェレミアだけならともかく、その他大勢の騎士団員の前に明かすべきではないだろう。

 しかしルルーシュはスザクの問いに首を振った。

「いや、あちらでいい。………確か今、ノワールが来ていただろう。彼女に連絡して、入口に待機してもらっておく」

 ルルーシュたちの陣営で抜きん出た第七譜術の腕を持つのはユーフェミアだが、彼女はあいにく現在ギルドの仕事でマルクト領におり、彼女の術には期待できない。

しかし幸いにというべきか、数日前からノワールがダアトから戻ってきているのである。自身が面倒を見ていた孤児たちの様子を見に来たという彼女は、ユフィ同様にユリアの譜歌を受け継ぐ女性であり、またユフィに第七譜術の手ほどきをした人物でもあった。その力量に関しては疑いを挟む余地はない。

「ああ、そういえばあっちで会ったけど………でも、いいの? ジェレミア卿だけならともかく………」

 繰り返すが、彼らの本拠地は秘された場所だ。安易に他人を連れ込んでいい場所ではない。

 そう念押ししたスザクだが、ルルーシュはふっと唇を吊り上げる。

「問題ない。………ジェレミアたちは当分面会謝絶だからな。その間はシェリダンで待機していてもらおう」

 ノワールの治療が必要なのはジェレミアと、意識がないらしいもう一人の青年くらいだ。従って隠れ家に連れていくのはスザクの運転するバギーに乗ったその二人だけで、残りはシェリダンへ連れていくつもりなのだと―――彼らをどうするかは、ジェレミアの意識が戻ってからの話だ。

 そう暗に告げるルルーシュに、スザクは納得して頷いた。ならば後は急いで怪我人を運ぶだけだと、バギーのギヤを切り替える。ウォン、と一際高い駆動音を上げ始めたバギーから、ルルーシュが距離を取る。

「な………!?」

 手近にいた騎士団員が、バギーの足回りに浮き上がった譜陣に絶句した。その譜陣から噴き出した濃厚な音素がバギーを押し上げ、地面から浮き上がらせる。

 大きく迂回するようにして崖から距離を取ったバギーは、助走をつけて走りだした。中ほどまで来たところで、ギュインという大きな音と共に、大量の音素が放たれる。

「う、浮いて………!?」

「何だあれは………!」

 慌てふためく騎士団員たちの目の前で、弧を描いて浮き上がったバギーは、人力では到底上れない崖を飛び越えていった。そしてそのまま、崖の向こうへと消えていく。

 それを見送ったルルーシュは、くるりと踵を返した。彼らの背後では、バダック達が手負いの魔物相手に攻防を続けている。バダックだけでなく、グミで回復したと思しき軽傷の騎士団員たちも参戦していたが、まだ致命傷を与えるには至っていない。

(バダックはいいとして、騎士団員が邪魔だな)

 譜術を詠唱する際、味方を巻きこまないようにするには味方識別(マーキング)をしなければならない。数年来の仲間であるバダックはとっくに味方識別(マーキング)をしてあるが、騎士団員達にはもちろんそんなことはしていない。威力の高い譜術を使うには少々どころでなく邪魔だった。

「バダック! 下がらせろ、術を使う!」

 主語もない台詞だが、バダックには十分通じていた。ルルーシュの意を汲んで騎士団員達に退避するよう通達する。

 それを見届けることなく、ルルーシュは詠唱を始めた。火と、土の力に満ちたこの地に棲息する魔物―――ならば、ぶつけるのは対極にある力。

「出でよ。敵を蹴散らす激しき水塊。―――セイントバブル!」

 魔物の足元から湧き出たいくつもの水泡が弾け、生じた衝撃が魔物の皮膚を喰い破る。

 既に弱っていたところに浴びせられた強力な譜術の一撃に、魔物は凄まじい叫びを上げてのたうち回った。しかしその動きも明らかに力ないそれへと変じていく。

「止めを―――」

「待て」

 確実に息の根を止めるべく踏みだした騎士団員を、バダックが制止した。バダックの視線を追って振りかえった彼らの視界に、続けて詠唱に入るルルーシュの姿が映る。

「慈悲深き氷嶺にて凄烈なる柩に眠れ。―――ブリジットコフィン!」

 先ほどの譜術で生じた第四音素によって、ルルーシュの編み上げた譜術が変容する。本来ならば地中からいくつもの岩槍を打ち上げるはずだった術は、岩の代わりに第四音素―――水の音素を槍へと変じ、魔物の身体を串刺しにする。

 そして止めとばかりに上空から振ってきた巨大な氷塊によって、魔物の身体はぐしゃりと押しつぶされた。断末魔の叫びを放った魔物の身体がビクビクと痙攣し―――ついにはただの肉塊となる。

 それを見届けた騎士団員のうち何人かが、糸が切れたように崩れ落ちた。傷はグミで癒せても、疲労までは回復できない。緊張の糸が切れたことで、努めて意識の外へと追いやっていた疲労が一気にやってきたのだろう。

 けれど皆が皆そうというわけでもないらしく、自身の武器を支えに立っていた騎士団員の一人が、のろのろとルルーシュへと視線を向ける。

「………助かった。礼を言う。―――だが、あんたたちは何者だ? シェリダンの関係者のようだが………」

 見たことのない譜業を所有し、また会話の中でもシェリダンの名を出している。だからシェリダンの関係者とあたりを付けたのだろうが、それにしても不可解な事が多すぎた。同胞―――と呼ぶには少々複雑だが―――である騎士団に裏切られた直後なだけに、彼らにしても安易に他人の『善意』を信じることはできない。礼を述べつつ懐疑的な視線を向けてくる男に、ルルーシュは無言で肩を竦める。状況から薄らと彼らのおかれた状況を把握してはいたが―――そもそも船の中で、咲世子からジェレミアと特務師団の置かれた状況について報告されている―――ルルーシュは彼自身で騎士団員たちを説得するつもりは差し当たってはなかった。まずはジェレミアと会い、それからのことだと思っている。彼らの身柄については、ジェレミアの意識が戻るまではシェリダンに隔離しておく気満々である。

「詳しい話はジェレミアの意識が戻ってからにしてくれ」

 それだけを言って切り上げようとしたルルーシュに、言われた側は怪訝そうに首を傾げる。

「………団長と知り合いなのか?」

「ああ。………昔の、な」

「………?」

 男は上官の経歴と目の前の少年―――いや、そろそろ青年と呼ぶべきだろうか―――の推定年齢を思い浮かべて首を傾げたが、ルルーシュはさっさと踵を返してしまった。しかしスタスタと歩き出した彼の爪先は、残るバギーの方角ではなく、岩の向こう―――打ち捨てられた馬車へと向かっている。

「………ルルーシュ」

 その後を追ってきたバダックが、馬車の前で立ち尽くすルルーシュへと声を掛けた。彼ももちろん、この馬車が何なのかを知っている。

 あの時―――故郷から逃れたあの時、魔物によって崖下へと蹴り落とされた馬車だ。野晒しにされた白骨は犠牲になった子供たちの物。あるいは、自分の見知った子供のそれもあるのかもしれない。

「………」

 遺体の一つを前に膝をついたルルーシュは、そっと目を閉じた。

 先ほど倒した魔物は彼らの仇―――けれど、それは所詮一面に過ぎない。

 故郷(アディシェス)を切り捨て、踏み躙ったキムラスカ―――それこそが真実の仇なのだから。

 再び瞼を開いて立ち上がったルルーシュに、バダックが声を掛ける。

「………いいのか? 埋葬しなくても」

 このままでは忍びなかろうと問いかける旧知の男に、ルルーシュは首を振る。

「………彼らが眠るべきはここじゃないだろう? アディシェスの―――故郷の土だ」

 焼け野原と化した故郷、いまだキムラスカの目を憚って、荒れるに任せて放っておくしかないその土地。

 そこに再び緑が、笑い声が戻る時―――その時こそ、彼らが故郷へ還る時なのだと。

 そう告げるルルーシュにバダックも頷いて、二人は同胞たちの残骸へと背を向けた。




Darkest before the dawn

鋼の忠義・5


 

※※※



一応再会した………と言えるのか? な感じの展開となりました。一応次回できちんと会話して、それでこの章はキリがつく予定です。手が滑って脱線しなければ。でもってその後関連する閑話があって(2話くらい?)、緑な方々の登場となるのではないかと。



それにしても戦闘シーン………というか、譜術の詠唱シーンは書いてて楽しいです。戦士系キャラに必殺技名とか叫ばせる気はないので、こういう詠唱はここぞとばかりに力を入れたくなります。アビス、というかテイルズは詠唱とか秘奥義とか華やかで好きなんですよね。ゲームとしては戦士系キャラの技名も気になりませんけど、小説の中で叫ばせるのはちょっと書いてて恥ずかしいです(爆)。中二な臭いがぷんぷんするというか。

ちなみに↑でちょっと出ましたが、ルルーシュは第七譜術はファーストエイドしか使えないという設定です。むしろ転生キャラ全般に言えることですが、第七譜術に関しての素養は全員有るんだけど、極端に低い。この辺は転生した経緯に関わってます。出てくるのは随分先ですし、そんなに重要な話でもないですが。あ、ユフィだけは例外的に強力な第七譜術士ですが、これは生まれた先の血筋によるものです。ユリアの末裔&譜歌を伝承してきた家系、ということなので。

あと↑でバダックが使ってるのは斧ですけど、うちのバダック(ラルゴ)は斧で行きます。キャラの公式絵とか対戦時とかは鎌使ってましたけど、最後に戦ったアブソーブゲートでは斧っぽい形状だったので、本気出すと斧なんだよと。………だって鎌って使いにくそうじゃないですか。イコール描写もしにくいというわけです。
でもってついでに自分的覚書(ここに書くな?)。スザクの獲物は基本剣&銃。前世の名残なので。ただあくまで基本なので、使える物は何でも使います。斧だろうがナイフだろうが。ユフィもそうですけど、孤児時代&ケセドニアのサバイバル生活時代に武器屋でまともな武器を買ってる金銭的余裕はあんまりなさそうなので、砂漠で拾った(野垂れ死にした人の)武器だとか薪割り用の斧だとか、もう殺傷能力のある物はすべからく武器。ユフィが鈍器使いのなったのもその辺が大きいかと思われます。
………ちゃんと纏めページ作らないとって話ですね。一応作りかけてはあるんですけど、初期設定のまま直してないなー………。

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